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多様な価値観の功罪

今年もSDGsで提唱された、多様な価値観を尊重する社会でありたいとの提言が多くなされました。確かに自己の価値観で自由に考え、行動し主張することは正しいことです。ただそれがバランスを欠いて強調されるようになることで、逆に生きづらさを感じる方がいることも理解しておく必要があります。
そのような例を紹介します。
① ひきこもりについて
内閣府が令和5年11月の調査で、「ひきこもり」の人は、15歳から64歳までの2%余りの約146万人に上るとのことです。主な理由に「新型コロナウイルスの流行」で、社会環境の変化を背景に、他者と交わる機会が少なくなったことで、そこから育まれる協調性や独自性などの社会的スキルの発育が制限されたと指摘されています。
文科省の令和5年の調査で不登校児童について、全国の小中学校で30日以上欠席した子どもは34万6482人で、11年連続で増加しているとのことです。高校生も3年連続で増えて6万8770人でした。理由は、学校生活に対してやる気が出ない、不安・抑うつ、生活リズムの不調となっています。
② いじめについて
いじめの件数は、小学校から高校及び特別支援学校の合計73万2568件で、前年度より5万件余り増えています。いじめによる自殺や不登校などの重大事態の件数も過去最多の1306件となり、4割近くは学校側がいじめとして認知していなかったということです。
③ 見解
文科省は、子どもの状況に応じた教育が必要だ、という保護者の意識の変化も背景にあるとしています。識者は、学校に行かないことがよくないという従来の意識に変化が出ている、と指摘し、背景にフリースクールなどが認知されて、自分が学びやすい場所で学ぶことが可能だということが広く認識されてきているとし、学校教育に限らなくてもいいのではないかと保護者が気づき始めている、と分析しています。

既存の制度や仕組みを多様な価値観の時代に適応するように、再検討することが必要になります。多くの方はそこで成長に応じて集団や社会の規則を学んでいきます。また自分自身の興味や得意なことも知る機会にもなります。ただ、今日、集団で交わり、学ぶことで生じる課題も顕著になり、集団の規則に従うことで、個人の権利に制限が生じることやパワーバランスから違いや個性を強く指摘するハラスメントの訴えも多発されると、次第に今まで「自制と自由のバランス」で保たれきた集団や社会の秩序は薄れ、多様な自己主張が広がることになり、自然と力の格差が際立つことになります。
福祉は「共に育つ」の思いがありますので、広くお伝えしたいものです。

サービス紹介

放課後等デイサービス

中高生のうちから将来の自立や就労に備えたい方に向けて、パソコン操作、ソーシャルスキルトレーニング、体幹トレーニング、創作活動の4つのプログラムを通じて、表現力や自己理解を深めながら、自立に向けた力を育てる機会を提供しています。

相談支援

どの支援が自分に合っているのかを知りたいご本人やご家族に向けて、幅広い福祉サービスを一貫して運営する強みを活かし、実績ある専門職が連携。制度の仕組みを丁寧に整理し、就労や生活支援への安心できるスタートを支えています。

自立訓練(生活訓練)

就労や自立に向けて、生活面の力を整えたい方へ向けた支援です。生活リズムの安定、対人関係の練習、金銭管理や買い物など、日常生活に必要な力を身につけるプログラムで、個別支援計画に基づき、自分のペースで「できること」を増やしながら次のステップへつなげていきます。

就労移行支援

「働く力を身につけたい」「就職をめざしたい」と考える方に向けて、IT、ビジネスマナー、企業実習などを通して就職に向けた力を段階的に育てるプログラムです。希望や特性に合わせて訓練をカスタマイズし、独自の支援ツールを活用しながら、自分らしい働き方を一緒に見つけていきます。

就労継続支援(A型/B型)

仕事の経験を積みたい、自分のペースで働き続けたい方に向けて、PC解体、在宅作業、バーチャル業務など特性に応じた多様な働き方を提供しています。作業を通じてスキルや役割経験を積み重ねることで、社会参加や次のステップにつながる土台づくりを支援します。

就労定着支援

働き始めたあとも安定して働き続けたい方に向けた支援です。心身や環境の変化に応じた定期面談や企業連携、関係機関との情報共有などを通じて、継続的なサポートを提供しています。

就労選択支援

就職を目指したいが、「どの支援が自分に合っているのか分からない」という方に、就労移行支援・継続支援・生活訓練など、就労につながる複数の制度を比較し、特性や希望に応じた進路を一緒に検討します。
それぞれの特徴や違いを丁寧に整理しながら、“はたらく”への最適なスタートを導きます。

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