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福祉と距離感

福祉の始まりは奈良ですが、本格的に福祉制度が制定されたのは戦後になります。敗戦の疲弊から経済的に困窮する人が増えたことで生活保護制度が設けられ、傷ついた方に向けて身体障害者福祉が始まり、その後、老人介護や知的障害、精神障害者の支援制度がつくられてきました。

職員(支援者)と利用者との関係については、奉仕精神から、身近な関係であり、仲間であり、時には親の代役のような立場も見られました、ただ就労については特段の定めはなく日中活動の一環として、簡単な作業が準備され、イベントなどで販売するパンやクッキーを作るのが一般的でした。作業は職業訓練の目的があるわけでもなく、また利益の確保もないので給与の支払もありませんでした。現場では職員や親が障害者と共に作業をすることも不自然ではなく、一般就職をする意識も少なく、障害者は一生を施設で過ごすことが当たり前のようであり、世間の潮流とは別の価値観が形成されてきました。

平成18年に障害者自立支援法が制定され、働いて「経済的な自立」をすることが明文化され、福祉制度もサービス業として捉え、従来の奉仕・援護から「自立・自律」への方針が打ち出されました。障害があり福祉サービス制度の利用を希望する方は、従来の制度と違い、基本的に自らの判断で福祉サービスの種類や事業所を選択することができるようになりました。多分に福祉事業所は戸惑があったと思いますが、それでも就労支援制度を実施したのですが、事業運営や職員の対応が一新されたわけでもないので、働く能力を育成するのではなく、職員や親御さんが“代わりに働く”ことは継続されました。

新制度から10年が経過して企業の障害者雇用の意識も変わり、また障害者雇用促進法や差別解消法が制定によって、多様な社会づくりや合理的配慮が提唱されたことで、障害者の企業就職の実績も過去最大になりました。これに応じて福祉の就労支援も、代わりに働くことから自立して働くことへと変移し、支援方針もHelp(手助け)からCoaching(出来るように育成する)へと大きく変貌し、福祉職員も具体的な成果が求められるようになりました。

これから福祉職員は就労支援の役割が成果を担保する支援になることを考慮して、利用される方との関係性や距離感を作り上げることが求められるようになりました。この機会に皆様のご理解をいただいて未来型の福祉支援を創造したいものです。

サービス紹介

放課後等デイサービス

中高生のうちから将来の自立や就労に備えたい方に向けて、パソコン操作、ソーシャルスキルトレーニング、体幹トレーニング、創作活動の4つのプログラムを通じて、表現力や自己理解を深めながら、自立に向けた力を育てる機会を提供しています。

相談支援

どの支援が自分に合っているのかを知りたいご本人やご家族に向けて、幅広い福祉サービスを一貫して運営する強みを活かし、実績ある専門職が連携。制度の仕組みを丁寧に整理し、就労や生活支援への安心できるスタートを支えています。

自立訓練(生活訓練)

就労や自立に向けて、生活面の力を整えたい方へ向けた支援です。生活リズムの安定、対人関係の練習、金銭管理や買い物など、日常生活に必要な力を身につけるプログラムで、個別支援計画に基づき、自分のペースで「できること」を増やしながら次のステップへつなげていきます。

就労移行支援

「働く力を身につけたい」「就職をめざしたい」と考える方に向けて、IT、ビジネスマナー、企業実習などを通して就職に向けた力を段階的に育てるプログラムです。希望や特性に合わせて訓練をカスタマイズし、独自の支援ツールを活用しながら、自分らしい働き方を一緒に見つけていきます。

就労継続支援(A型/B型)

仕事の経験を積みたい、自分のペースで働き続けたい方に向けて、PC解体、在宅作業、バーチャル業務など特性に応じた多様な働き方を提供しています。作業を通じてスキルや役割経験を積み重ねることで、社会参加や次のステップにつながる土台づくりを支援します。

就労定着支援

働き始めたあとも安定して働き続けたい方に向けた支援です。心身や環境の変化に応じた定期面談や企業連携、関係機関との情報共有などを通じて、継続的なサポートを提供しています。

就労選択支援

就職を目指したいが、「どの支援が自分に合っているのか分からない」という方に、就労移行支援・継続支援・生活訓練など、就労につながる複数の制度を比較し、特性や希望に応じた進路を一緒に検討します。
それぞれの特徴や違いを丁寧に整理しながら、“はたらく”への最適なスタートを導きます。

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